終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

とちぎ発 本日開店 居酒屋新幹線

とちぎ発 本日開店 居酒屋新幹線(宇都宮駅・大宮駅)・・・これはユニーク!

栃木県の観光キャンペーンに合わせて、宇都宮駅の駅弁業者、松廼家(まつのや)さんが販売した季節限定駅弁2種類のうちの1つが、とちぎ発本日開店居酒屋新幹線です。もう1つの焼餃子ダブル弁当と共に、宇都宮駅と大宮駅で販売されました。(2017年6月末で終売)

焼き餃子の駅弁は見た目と裏腹に酷い味でしたが、こちらの居酒屋新幹線は、良い出来栄えでした。ネーミングも素晴らしいし、見た目はシンプルですが、分かりやすくて興味を示してしまいますね。

 

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居酒屋新幹線を開封してみたところは、以下の動画でも簡単に分かります。

 

購入データ


購入場所
大宮駅の中央コンコース(改札外)にて。この場所では毎週金・土・日曜に臨時売り場が出ます。ただし夏季は営業しません(8月)。
購入日時   2017年6月10日、15時20分に購入。
価格          1200円(税込み)
ラベル表示

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製造・販売
有限会社松廼家
栃木県宇都宮市駅前通り3-3-1
028-634-2426
http://www.ekiben-matsunoya.co.jp/original.html

 

若干の改良ののち、ぜひ常時販売してください!

では開封したところのぱっと見から。まず、白飯に目が行きます。わざわざ丸い容器をはめ込んで、そこにご飯を入れているのですから、「なぜ?」と思いますよね。

 

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お品書き
・焼き餃子(タレ付き)
胡麻ふりかけカップ入りおにぎり
・干瓢胡麻酢和え(クコの実のせ)
・牛肉とごぼうの旨煮
・鶏の照り焼き
・鶏のつくね寄せ
・煮卵
・筍煮
・玉蒟蒻煮
・モロ(モウカザメ)の煮付け
・山海漬け
・新生姜スライス
・大根たまり漬け
・インゲン
・梅干し

 

ご飯の「なぜ?」の前に、各メニューを見てみます。まずは焼き餃子。焼餃子ダブル弁当のページにも書いた通り、これが大量に入っていたら不味くて往生しますが、3つくらいならばちょうど良いでしょう。

 

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タレも決して美味しい訳ではないので、控えめに付けて頂きました。

 

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鶏の照り焼きです。串に刺した状態で入っていて、焼き鳥を連想させて、これはなかなか良いです。「餃子とビール」に続いて、「焼き鳥にビール」という気分になります。

目立ちませんが鶏の照り焼きの下には干瓢胡麻酢和え(クコの実のせ)があって、さっぱりしていながらも不思議な食感の面白い副菜に仕上がっています。

 

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牛肉とごぼうの旨煮、そして煮卵です。煮卵はともかくとして、牛肉煮を食べると、ついご飯を食べたくなっちゃいます。しかし、やはり理由があってグッと堪えて、牛肉煮でビールを飲みます。

 

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さてと、以上のようなメインのおかずを食べた後、白飯です。ラベル表示では胡麻ふりかけカップ入りおにぎりと紹介されておりますが、どうみてもおにぎりには見えません・笑。無造作に容器に入れただけですよね。

 

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でも実は、この「おにぎり」は、〆のお茶漬けにしても良し、と書かれていたのです! なるほどそう来たか!! これは「居酒屋」としてはなかなかのアイデアです。

でも、お茶漬けと言ったって、ペットボトルのお茶をぶっかければよいのかな??? そこまで解説されていなくて一瞬困惑しましたが、それ以外に選択肢はなく、・・・やってみました。

 

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自宅で駅弁を食べたので、スプーンを使いました。見た感じ、大変良好です。・・・で、これを食べてみますと・・・・・「お茶漬けだったら出汁が欲しい!!」です・笑。単なるお茶と白米、って感じでした。。。

 

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ほらね、お茶を購入の上ご飯にかけて、と書いてありますでしょ。できれば小さいパックでだしの素でも付けてくれたら、本当に居酒屋の風味のお茶漬けになるんですけどね~。こういうところ、「お弁当屋さん、あなた実際にペットボトルのお茶をぶっかけて食べてみました?」とお聞きしたいところなのです。

 

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とまあ、最後は改善点を申し上げてしまいましたけれども、やはりアイデアとしてはなかなかのユニークさですよね。買ってよかったです。この駅弁は、若干の改良をしたうえで、常時販売して欲しいなあと思いました。それだけのポテンシャルがあると思いますね。

上州牛ステーキ弁当

上州牛ステーキ弁当・・・恐るべしおぎのや、こんな美味い牛肉弁当は無いぞ

横川駅のおぎのやと言えば峠の釜めし、それ以外では峠の鳥もも弁当、玄米弁当が、比較的知られていると思います。前回高崎駅に立ち寄った際に、そのおぎのやさんの予想外の駅弁、和風ソースかつ重が売られていて、完全に意表を突かれました。

 

もうそれ以外は無いだろうとタカをくくっていましたが、高崎駅にSL列車を見物しに行ったついでに駅弁屋によると、なんと上州牛ステーキ弁当が目に飛び込んできました。ついでに上州豚黄金カツサンドなんてのも売ってまして、両方買ってしまいましたよ。

 

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なお今回、さらについで?に、同じく上州牛の駅弁、高崎駅弁当さんの上州牛肉弁当も買ってきました。上州牛肉対決ですよ。ここしばらく美味しくない肉系駅弁でテンション下がっていたので、持ちなおそうかと。

 

上州牛ステーキ弁当・・・絶品、これは旨みの拡散波動砲だ!

さて、高崎駅で購入して、大切に自宅まで持ち帰って夕食の時に開封してみましたよ。

 

写真で撮影したのが下記。見た瞬間、脳内が一気に興奮状態になるような見事な見た目です。牛ステーキというと、安直に肉を焼いてそれを出すだけですけど、駅弁では一切の手抜き・妥協を許さない荻野屋さん、分厚い肉をステーキして、それを食べやすく適度な薄さにカットしています。

 

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しかも見て下さいよ、このピンクの色合い。駅弁でミディアム状態で提供するのは、消費期限の問題などからかなり難しいはずです。が、それをやってしまうのが荻野屋の凄さ。

 

そしてこのミディアム状態のステーキを口に入れた時の興奮と言ったら、これはもう駅弁の範疇を超えているとしか言えません。こんな駅弁は食べた事ないという感じです。

 

冷めた牛肉特有の硬さが全くなく、柔らかいです。口の中でとろけます。決して脂身の多い肉ではないように見えるのですが、牛のうまみ成分が脂と共に口の中に広がります。

 

・・・ごはんも一緒に口の中に入れます。ごはんが「やめられないとまらない・かっぱえびせん」状態になります。ですがかっぱえびせん化学調味料の塊のなのに対して、上州牛ステーキ弁当は添加物は酸化防止剤のみ。だから余計に美味しいのか!

(ああ、駅弁を添加物の塊にしてしまっている、八戸駅の駅弁屋、吉田屋さんに食わしてあげたいよ・笑。スタミナ源たれ牛焼肉弁当なんて、酷かったなあ・・・)

 

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(ローストビーフに見えるかもしれませんが、そうではありません)


1500円と若干お高い駅弁ではありますが、上州牛ステーキでご飯が隠れてしまうほどのボリュームです。付け合わせは決してメインディッシュを邪魔しないあっさり味で、完璧に考えられて作られている駅弁ですね。100点を差し上げたいです。見事!荻野屋!この仕事ぶりは称賛に値します。

 

(2016年6月18日、高崎駅で購入。1500円)

秩父釜めし

秩父釜めし・・・肉類が一切ないのに、なぜか美味く食べられるという不思議

西武秩父駅に釜めしがある。以前から知ってはいたものの、駅弁のためだけにはるばる西武秩父まで行くのもけっこうめんどくさいです。どうしたもんかなと躊躇っていたところ、西武鉄道が予想外のレストラン列車、旅するレストラン・52席の至福の運行を開始、それに乗るために西武秩父駅に行く「用事」ができました。

 

下記が、秩父釜めしの売り場の様子ですが、秩父名物わらじかつ弁当の販売も行われており、パッと見ではすっかり秩父釜めしはマイナーな存在になっています。(この売り場の前にベンチがあるのですが、若い女性の2人連れは2人とも、わらじかつをを食べてました)

 

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さらに秩父釜めし、上記では「釜めしパック」という名称で売られているのに、下記の説明書きでは「山菜釜めし」となっていますし、「まるなかの釜めし」とも表現しています。駅円の掛け紙は「秩父釜めし」となっていて、もうかなり適当です・笑。(後ほどご覧いただく原材料名の記述の部分では、「釜めし弁当」と書いてあります)

 

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ただ、掛け紙に割り箸を置いて紐で縛っただけの昔ながらの駅弁のスタイル、今ではどんどん少なくなってきた印象なので、なんだかホッとするような外見でもあります。それに今どき515円って、半端ない安さです。

秩父釜めし・・・・これが思ったよりもおいしくてびっくりしたのだ

さて西武の52席の至福に乗車して、走るディナーを堪能するのですから、秩父釜めしをすぐに食べるわけにはまいりません。今回は前述のわらじかつ弁当と、さらにもう1つ見つけた岩魚すしも購入して、すべて自宅に持ち帰って翌日に食べました。

 

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け紙を取り除いて、プラスチック容器のふたを開けたところが、下記です。茶飯の上にワラビ主体の山菜、きんぴらごぼう、栗、こんにゃく、錦糸卵に紅ショウガなどが乗っかっています。

 

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しかし、ジーッと原材料名を見ていて、なんだか不思議な感じがしました。何かが違うと。原材料名と実際に中身を比べてみたところ、原材料名に記されている「梅」が入っておらず、その代わり「栗」が乗っかっています。微妙に異なります・笑。

 

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写真を見て頂くと分かる通り、色合い的には美味しそうとはとても思えません。しかも肉や魚などの「メインディッシュ」が1つもない駅弁が、今どき重宝されるとも思えません。「もしかしたら失敗作を買ったかな」と多少の後悔をしながら食べ始めたところ・・・・、

 

案外美味いじゃん!!!」が第一声でした。これはいったい、どういう仕組み何でしょうね? 間違いなく、美味しんですよ。不味いなんて感想は出てこない。驚きです。

 

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茶飯と一緒に山菜やらきんぴらごぼうなどを食べるわけですが、それらと茶飯との味わいのバランスが、実にきちんとしているのがその要因なのだと思います。

 

おかずの味がからすぎない、甘すぎない。ちょうど良いところにあるんですよ。決して100点はあげられないけど、おおよそ65点くらい差し上げてもよかろう。そこがこの秩父釜めしのような超絶に地味な駅弁を、今まで生き永らえさせているのだと思います。

 

決して人に「駅弁食べたよ!」と自慢できるようなものではありませんが、ひとりじっくりと、自分と対話するかのように味わっていただくと、非常によろしいかと思います。

 
(2016年5月21日、西武秩父駅で購入。515円)