400kcal台弁当
400kcal台弁当（JR東海）・・・意外な事に、この駅弁はかなりの美味しさ
青春18きっぷの旅の途中に最低最悪の豊橋パークホテルに宿泊した朝に食べたのが、JR東海パッセンジャーズの駅弁で、東京・横浜・名古屋・京都・大阪の各駅で買う事の出来る駅弁、400kcal台弁当です。今回は名古屋駅で、復刻弁当と共に購入しています。
400kcal台弁当、なんてネーミングを聞いても、全く旅の気分が盛り上がりませんよね。この駅弁の存在は以前から知っていましたが、買う気が起こらないので食べずにいました。
が、復刻弁当を買った時に、翌朝用のちょうど良い駅弁がたまたま無かったことから、つい手が伸びて購入しました。そんなきっかけが無ければ食べる機会など無かったかもしれませんが、これが意外な美味しさであり、料理としてのクオリティーはなかなかだと思いました。
この駅弁は、ロングセラーとして売られ続けるのでは？
では、特に期待もせずに開封してみた動画から。
ホテル室内の蛍光灯によって、寒々しい色合いになってしまっているのはご容赦下さい。小柄な容器に、野菜を中心としてバランスよくおかずが並んでいます。男子よりも、女子ウケしそうな雰囲気が有りますね。
メニューを見ていきます。蒸しカボチャの黒酢ソース和え、しし唐素揚げ、パプリカ煮、カリフラワーとブロッコリーのドレッシング和え、蓮根磯部揚げです。
真ん中のコーナーには、大根煮、玉子焼き、ヤングコーンのドレッシング和え、さわらの塩焼き、煮物、紅芋加工品の天ぷらが入っています。
いやいや、これらの野菜が、全て美味しいです。ただ単に煮て入れ込んだような駅弁ではなく、ひと手間加えられたものや、素材そのものの味を楽しむものがほとんどです。しかもすべて、冷めても美味しいという駅弁の基本中の基本を、しっかりと守り抜いていますね。
ご飯の部分です。黒米のご飯が俵で2つ、雑穀ごはんが1つ、入っています。ボリュームが欲しい人向けではないですけど、健康志向の人にはピッタリですね。黄色いのは銀杏揚げです。
ご飯の隣に配置してあった、鶏の照り焼きです。一番メインディッシュらしいおかずです。薄味ながらも肉が厚いがゆえに味をしっかり感じられて、goodですね。
これが紅芋加工品の天ぷらですね。天ぷらのデザートと言って良いでしょう。全て美味しく完食させていただいた最後に、頂きました。甘いものが入っていると、満足度が上がります(^^♪
この駅弁がメインで売られている駅は、東京駅だと思います。となるとこの駅弁、日本ばし大増あたりにOEM生産でもさせているのかもしれませんね。実態は不明ですが、このような美味しい駅弁をプロデュースできるJR東海パッセンジャーズ、良い仕事をしてくれたと思いました。
（2016年1月8日、名古屋駅で購入。720円）
静岡いいところ弁当
静岡いいところ弁当（小田原駅）・・・静岡県の幸が満載の期間限定の駅弁
東京は上野駅に立ち寄った際に、日本レストランエンタプライズの駅弁屋売店を除いて、「こんな所に静岡駅の東海軒の駅弁が売っているのか」と思って、何気なく購入したのが、静岡いいところ弁当です。見た目、かなりの「東海軒感」が漂っています。
が、購入してから改めてじーっと眺めたら、小田原駅の東華軒さんの駅弁でした。「静岡プレデスティネーションキャンペーン」と書かれていますから、観光キャンペーンに連動した新しい駅弁ですね。
当サイト管理人は、人口が減少する一方で競争も激化するばかりの駅弁市場において、生き残りの1つの策として、外国人観光客にいかに容易に駅弁を買ってもらうかという事もしっかり考えたほうが良いと思っており、駅弁に英語表記も必要だと思っています。
そしてこの静岡いいところ弁当、何とも面白い英語表記が書かれていて、思わず噴いてしまいました。その名も何と、「A wonderful Place Shizuoka Bento」です。確かに、間違ってはいないですよね・笑。好きだな～～、こういうテキトーな感じって。
購入データ
購入場所
上野駅の中央改札口を入ったところにあるNREの売店で購入。
購入日時
2018年5月24日、午後3時半すこし前に購入。
価格
1080円（税込み）
ラベル表示（アレルギー表示だけは、英語表記がありますね）
製造・販売
株式会社東華軒
神奈川県小田原市西酒匂1-3-54
0465-47-1186
http://www.toukaken.co.jp/ekiben.html
いかにも東華軒らしい甘い味付けの中に、しっかりとメリハリが効いた美味しさ
では、静岡いいところ弁当を開封して食べてみます。パッと見、「駅弁らしい佇まい」を感じる盛り付けになっているなと思いました。（駅弁のファンじゃないと、だいぶ分かりにくい表現です・笑）
お品書き
・鰻まぶしご飯
・御殿鶏スモーク（ハーブ）と野菜のレモンあんかけ
・鰆塩焼き
・ちくわ梅肉揚げ
・煮物（黒はんぺん、蒟蒻、花人参）
・まぐろそぼろ煮（筍、枝豆）
・わさび漬け
・三島野菜の漬物（花かつお大根）
まず目立つのが、鰻まぶしご飯です。静岡県は浜松という鰻の名産地を抱えており、鰻のイメージは強烈ですから、名物をガツンと目立つように入れてきましたね。ご飯自体は、茶飯になっています。
ただし、鰻は高級食材であり、税抜きで1000円のお値段のお弁当に大量には入れられませんから、刻み鰻の形で少量を入れており、錦糸卵や山菜で上手にバランスを取っています。こうする事で、色合いも良くなりますね。タレの付いた鰻の味は、かなり甘めに味付けられています。
ご飯のおかずとしては、鰆の塩焼きとちくわ梅肉揚げでしょうか。梅肉というと、梅干しがお土産品としてよく売られている小田原を連想します。静岡ではありませんが。単なる磯辺揚げではなく、一工夫して梅肉揚げにしている点は、評価したいポイントです。
実はこの駅弁で最も「美味い！」と絶賛したいのが、ブロッコリーの右側に非常に目立たぬ風に入れられている、御殿鶏スモークです。御殿鶏とは、御殿場市のブランド地鶏の事で、やはり高価なのでしょうから、ごく少量しか入っていません。
しかし、この鶏肉料理はこの駅弁の中では明らかに素晴らしいな出来栄えです。何とか工夫して頂いて、御殿場地鶏の駅弁でも作って欲しいと思うくらいでした。
静岡いいところ弁当でもう1つの注目点は、まぐろそぼろ煮でしょうか。静岡は何気にまぐろの水揚げ高は日本有数です。まぐろも、忘れちゃならない静岡の食材なのです。
しかし、まさかまぐろの刺身を入れるわけにはいかない中、保存性にも優れた徹底的に甘い味わいのまぐろそぼろにして、入れてきましたね。この甘さは、東華軒で有名な「鶏そぼろ」と全く同じです。（デラックスこゆるぎのページを参照してください）
もう半端なく甘くて、最初のひとくちは、思わず顔をしかめるくらいでした（半分冗談）。が、東華軒のそぼろ煮の美味さは、その甘みの中にあるのです。
嬉しい事に、東華軒のそぼろ煮と非常によく合う、コリコリ感が秀逸な筍煮と一緒に入れてくれていました。グリーンピースも含めて、この組み合わせは最強の味なのであります。
そして、「でもやっぱり甘すぎるだろ！」とツッコミを入れたくなる頃に、静岡名物のわさび漬けです。こんなにもわさび漬けが美味しく感じたことは、今までありませんでした。鰻も含めて、とにかく静岡いいところ弁当は甘々の味付けなのです。
最後に煮物。人参や蒟蒻の下に何か隠れているなと思ったら・・・、
黒はんぺんが出てきました。静岡県ではんぺんと言ったら黒はんぺんの事を指すほどの食材であり、これを入れるとは嬉しい工夫ですね。ただ、あまりにも駅弁としては地味な色合いなので、花人参の下に配置したのでしょうか。
この静岡いいところ弁当、駅弁の外箱に「2018.4.1→6.30」と記されているように、6月末までの期間限定となっています。しかし、なかなか上手に静岡の幸をふんだんに盛り込んだ意欲作でもありますし、満足度も高い駅弁なので、できれば長く売って欲しいなと思っています。
静岡に出かけるのに小田原駅でわざわざ下車して静岡いいところ弁当を買うわけにはいきませんので、例えば都内の日本レストランの駅弁売り場でこれを買い、静岡方面に停車する新幹線だったり、あるいは特急踊り子号の車内で頂きたいお弁当だと思います。
静岡への旅の気分がとても盛り上がる、そんな駅弁に仕上がっています。静岡からの帰宅後、別の日にこれを購入して、静岡の旅の思い出に浸りながら食べるというのでも、良いかもしれませんね(^^♪
栃木味めぐり弁当
栃木味めぐり弁当（宇都宮駅）・・・良くできた、栃木風味の幕の内弁当
宇都宮駅弁として、2016年時点で餃子めし弁当と共によく見かけるのが、この栃木味めぐり弁当です。宇都宮駅にはなかなか縁が無くて、宇都宮駅の松廼家さんの駅弁を買う機会が無いので、今回は大宮駅で見かけたのを良い事に、早速購入してきました。
掛け紙を見ていると、駅員さんがイラストとして描かれています。栃木の味を表現するのに、なぜ鉄道員？？と思ったのですが、なんでもJR宇都宮車掌区の車掌さんと松廼家さんが共同開発した駅弁のようで、それで上記のようなユニークなイラストになったのですね。
栃木味めぐり弁当を早速開けてみたところ
栃木味めぐり弁当を、楽しみに開封してみました。動画を見て頂くと分かる通り、詳細なお品書きが入っていて、見比べながら食べることができるのはとても親切です。栃木味めぐり弁当、要は栃木の味で固められた幕の内弁当と言ったところでしょうか。
【お品書き】
・椎茸と筍の炊き込みご飯 ・白飯 ・野菜の素揚げ（ナス、赤パプリカ、アスパラガス） ・エビ入り餃子饅頭のあんかけ ・豚肉の生姜焼き ・タンドリーチキン ・ヤシオ鱒の幽庵焼き ・ゆば煮 ・玉こんにゃく煮 ・南瓜サラダ ・ワイン風味らっきょう ・ゴボウ煮
まず最初に目に飛び込んでくるのは、案外ゆばの存在感ですね。湯葉の煮物ではありますが、焼きが入れられていて、歯ごたえが複雑で豊かになります。続いて中央に配置されたゆめポークの生姜焼き。これは旨み豊富で、ご飯が進みます。添えられた野菜の色合いも見事です。
湯葉とゴボウ煮に隠れていますが、ピンク色をしたらっきょうも、なかなかの味わいでした。どうしてピンクなのかと思ったら、赤ワインで染まっているのですね。アルコール分は感じられず、口直しとしてとても優れていると感じました。
ところで栃木と言えば餃子です。餃子めし弁当に本物の餃子が入っていなくてやや物足りない気持ちになりましたが、栃木味めぐり弁当では餃子饅頭と言う形で、餃子を期待する私たちの声にこたえてくれていますね。
ただし、歯ごたえは非常にモチモチしていてまさしく饅頭で、味は餃子なのですが、何かちょっと違うよなと言う気持ちにはなります。宇都宮の駅弁ならば、はやり王道の餃子でガツンと来てほしいなと感じます。
なお、これ以外にユニークなお料理としては、いっこく野州鶏のタンドリーチキンでしょうか。駅弁でタンドリーチキンとは、面白いです。メキシカンな味付けの鶏肉なのに、このお弁当全体のバランスは全く崩していません。
タンドリーチキンと筍ごはんの組み合わせなども、特に違和感を感じないで食べていけるのは、実に新鮮な感覚になります。・・・栃木味めぐり弁当、なかなか侮れない駅弁と言えます。
（2016年5月6日、大宮駅で購入。1200円）
