あきたこまち釜めし
久しぶりに食べた、「不味い」駅弁、あきたこまち釜めし
えーっと、冒頭からいきなりストレートな物言い、大変申し訳ございません。。。ワタクシは秋田県も大好きですし、秋田駅も大好きだし、何度旅行しても素晴らしいところだと思っています。
しかし、この駅弁、あきたこまち釜めしはよろしくありませんでした。外観に、何の問題もありません。いや、どんなおかずが入っているか分からない点で、ちと問題かな?今気が付いた・笑。
あきたこまち釜めしを開封してみた
じゃあ開封したら何か問題点が出てくるのかというと、これもそんな事はありません。むしろ開封したら、「これは超美味そうじゃないか!!」と、喜んだくらいです。
パッと見、ハタハタの甘露煮がとても目を引きます。鮭の塩焼き、卵焼き、舞茸煮、サツマイモの甘露煮が、食べてくださいとばかりに存在をアピールしています。
風土色豊かな釜めしなんだろうなと、感心しました。今でもその思いは変わりません。今これを見ても、釜飯の中では最上クラスの盛り付けではないでしょうか?
しかし!この釜飯の最大の欠点が、食べ進むうちに明らかになりました。それは、ご飯の上に敷いてある、「ふりかけ」が大問題なのでした。
せっかくの食材の味が、極めてチープなふりかけの恐ろしく人工的な味覚に、完全にノックアウト状態なのです。「これは釜飯だよね?ふりかけご飯にしか思えないよね??」と、妻に確認すると、「私もそう思った」との事。
そのふりかけの味は、おかずを邪魔するだけでなく、白米のあきたこまちさえも邪魔しにかかっているのではないかと思えたほどです。というか、あきたこまちと、上に乗っかったおかずとを、悪意を感じるくらいに引き離しているとしか思えません。
一体誰が、こんな味のものにゴーサイン出したのでしょうか?? セブンイレブンの弁当開発部門あたりでこんなもんを試食の席に乗せたら、即刻却下、作りなおし間違いなしです。
ついでに言うと、この駅弁屋さん、関根屋さんの作る駅弁の白米は、全てベチャベチャしているのは、なんとかならないでしょうか? あきたこまちという米の種類は、水分含有量が多いのが特徴だと読んだ記憶が有ります。
が、だからと言ってそれをそのまま駅弁にしてしまうと、昨今の駅弁はほとんどがプラスチック容器に詰めることから、行き場所に困った水分が、ご飯をビシャビシャにすることで仕返しをするのです。
あきたこまちにこそ、経木を使った弁当箱のような工夫が、必要なのかもしれません。大事なのは、あきたこまちの水分ではなくて、旨みなんですからね。
という事で、当サイト駅弁シリーズの中で、珍しく批判記事を書いてしまいました。重ね重ね、あの忌々しいふりかけさえ無かったら、相当美味い駅弁だと感じたことだと思います。
その辺の改良をして頂いたら、ぜひもう一度食べたいなあとおもいます。何度見ても、このおかずの数々は、とても美味しそうだと思います。
(2015年11月1日、新宿駅で購入。1000円)
和牛駅弁
西又葵さんがパッケージデザインの、美味い和牛駅弁
小坂鉄道のブルートレインあけぼのに宿泊した翌日、新潟市まで移動する途中に秋田駅に立ち寄って、夕食用の駅弁を2つ、仕入れてきました。あきたこまち釜めしに大いに失望させられた秋田駅弁ですが、捲土重来を図っていただきましょう。
購入したのは、秋田駅の改札口のすぐ隣にある、駅弁売り場です。とても目立つので、すぐにそこが分かると思います。駅弁の種類も量も豊富に揃っていて、選ぶのに時間がかかりました。
今回の旅行では肉系の駅弁を連続して食べていて、ここも肉で攻めようという事になり、和牛こまち弁当とともに買ったのが、うご牛焼肉弁当です。
パッケージデザインは、イラストレーターの西又葵さんが手掛けています。一体誰??と思って帰宅後に調べたら、この人、「スターウォーズ・フォースの覚醒の記念画集に参加する、世界100人のイラストレーター」のうちの1人でした。驚きです。
秋田県羽後町に関連する多数のイラストも書いているようで、そのつながりから、このうご牛焼肉弁当のパッケージもデザインしたようですね。
うご牛焼肉弁当、実際のお味はどう??
西又葵さんがデザインする駅弁、食べる前からテンションが高まりました。実際にそれを開封してみたのが、以下の動画です。開封しても、西又葵さんのイラストの入った割り箸の袋などがあって、見た目でもずいぶんと楽しませてくれますね。
見た目的にも、大満足ですね。蒲鉾は、大館駅の鶏めし弁当に入っていたものと同じだと思います。ご飯を覆っている羽後牛に、期待が高まります。
期待を胸に、うご牛の焼肉を口に運ぶと、う~~ん、美味い! 牛肉の旨みがストレートに感じられます。余計な脂身の感じは無くて、かといってパサパサしているわけでもなく、素直に美味いと言い切りたい気分です。
駅弁についてきたチラシによると、黒毛和牛うご牛とは、農協のうご肉用牛組合が生産する黒毛和牛の中で、格付けA以上の牛にのみ与えられる称号で、生産者は18人しかいないそうです。県内の料理店で流通するだけで、秋田県がいに出回る事はほとんど無かったらしいです。
口直しに最適なのがいぶりがっこ(秋田の漬物)。大根と人参の二種類が入っていて、これだけでも満足できる美味しさですね。口直しした後に、再びうご牛を味わうと、ハッピーとしか言い様がありません・笑。
ま、最後にちょっとだけ文句を言わせていただくと、煮玉子だと思って食べた「柔らか卵」だけ、異様に人工的な味で、ちょっとがっかりです。いったいこの卵はどのようにして製造されたのか、詳しく知りたいくらい不思議な味でした・苦笑。
なおこの駅弁は、新潟市内唯一の鉄道の見えるホテル、ホテルアルファーワン新潟にて食しています。部屋から鉄道を見ながら食べる駅弁、最高ですね!
(2015年11月15日、秋田駅で購入。1550円)
泉谷しげるプロデュース駅弁
泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」を、当サイト管理人が食べてみた!
2018年の10月6日以降、郡山駅の駅弁業者の福豆屋さんが、タレントの泉谷しげるさんと組んで、「福島応援弁当・駅」を製造販売しています。
泉谷しげるさんは長年にわたって、東日本大震災の被災地を支える活動をしていらっしゃるという事で、そのご縁のつながりから、駅弁をプロデュースする事になったようです。泉谷しげるさんが大の駅弁ファンだという事も、このプロデュースにつながっています。掛け紙のデザインも泉谷さんが行っており、かなり気合いが入っています。泉谷さんの、アーティストとしての才能も感じます。
ただし、言葉は悪いですが、プロデュース駅弁というのは意外と大した事が無かったりします・苦笑。果たして、駅弁好きの泉谷さんがどんなお弁当を提案してきたのか、非常に興味深いところですね。
という事で、福島応援弁当を開封してみたところが、この写真です。最近は中身を小分けにして、会席料理風に魅せるお弁当が多く、福島応援弁当もそのスタイルを採用していますね。きちんとお品書きを入れてくれているのは、駅弁ファンの泉谷さんらしいと思います。
購入データ(今回、私が購入した時の記録です) | |
---|---|
購入場所 | 東京駅の駅弁屋祭にて購入。 |
購入日時 | 2018年11月13日、午後6時半頃に購入。 |
価格 | 1200円(税込み) |
製造販売 | 株式会社福豆屋 郡山市富久山町久保田字郷花4番地8(郡山食品工業団地内) 024-956-0050 http://www.fukumameya.co.jp/menu/index-2-10-0-page1.html 駅弁一覧ページです。 |
福豆屋さんの駅弁の様々なお料理を「再結集」しており、確かに美味しい
今回の福島応援弁当「駅」を食べたところは、動画にも記録していますので、あわせてご覧いただくことができます。なお、郡山駅の駅弁ですが、東京駅の駅弁屋祭でも販売しており、私は東京で購入しています。
(福島応援弁当「駅」のラベル表示です)
お品書き | |
---|---|
・しめじごはん(青さのり) ・白飯(刻みカリカリ梅) ・茶飯(あさりの佃煮) ・福島県産牛肉煮ときんぴらごぼう ・「麓山高原豚」豚肉の炙り焼き (糸唐辛子添え) |
・伊達鶏の酒粕味噌焼き(パプリカ添え) ・含め海老芋の唐揚げ ・三春三角揚げ煮、玉こんにゃく煮 ・にしん昆布巻き、玉子焼き ・めひかりの唐揚げ、焼き蒲鉾 ・福島県産若桃の甘露煮、白桃シロップ煮 ・なめこそばの実あえ、赤かぶ漬 |
前項で示した通り、小分けに12区画に分けられたお弁当なので、写真に撮るのが難しく、まずは「左側」を写してみます。ご飯は全て、福島県産の「あさか舞」というブランドのコシヒカリを使っており、ここではあさりの佃煮の乗った茶飯と、カリカリ梅が乗った白飯が写っています。
単なる茶飯だと味気ないものですが、あさりの佃煮との組み合わせはドンピシャであり、ご飯が進みますね。
福島県産牛肉煮は、福豆屋の牛めしで使われているものを、福島応援弁当でも利用しています。もちろん、非常に美味しい牛肉煮ですから、大歓迎です。
続いて、「右側」を写します。ご飯は、青さのりをふりかけたしめじごはんとなっています。めひかりの唐揚げがインパクト大ですね。若干、不気味な感じに見えなくもありませんが、そこはご愛嬌という事で・笑。
めひかりの唐揚げは頭の部分が取り除かれていますから、ギョッとする事は無く、お酒の恋しさを感じながら食べる事になります。駅弁にメヒカリという組み合わせは、他にはあまり聞いたことがありません。こういう珍しいものが時折入ると、飽きずに駅弁を買い求めたくなりますね。
豚肉は、ふくのしま豚の醍醐味に入れられているものと共通です。プリプリした食感の豚肉が大変に美味しく、満足度が高いですね。若干、脂っぽさが強かったかな。
お肉については他にも、「伊達鶏の吟醸酒の酒粕漬けの仙台味噌焼き」という、郡山駅の駅弁の代表作でもある小原庄助べんとうと共通のおかずが入っています。地方の駅弁屋さんですから、同じ食材を複数の駅弁に利用する事については、十分に理解できますね。上手な再利用ですから、何も文句はありませんし、美味しいものを頂ける訳であり、むしろありがたく感じます。
海老芋の唐揚げです。海老芋と言っても里芋で、形が反り返った海老のように見えるから海老芋と言うようです。里芋は、駅弁としては煮物で供されることが多く、唐揚げで食べるのはなかなかレアな事だと思います。含め煮として味付けされてから唐揚げにしていますから、何もつけずとも、出汁の味わいを感じる事ができます。
最後に、デザートです。青梅かなと思ったら、若桃の甘露煮でした。その隣の白いものは洋ナシかなと思ったら白桃のシロップ煮でした。共に、甘ったるい味ではありますが、なかなかフルーツを生のまま入れる事は難しいと思いますし、若桃の甘露煮など普段は食べる事はまずありませんから、嬉しく美味しく頂いたのでした。
今回の駅弁は、タレントの「こだわり」のようなものを感じさせてあげないと、泉谷さんとしての評価が下がってしまいかねません。かと言って、こだわるままに作っていてはコストも張りますし、駅弁として実現しにくい食材や料理にまで手を出さざるを得なくなって、試作品はできても製造工程に乗らないという事になりかねません。
その点で、福豆屋さんの複数の駅弁と料理を共通化する事で、駅弁としての見た目の良さと、泉谷さんの体面の両方のバランスを上手に釣り合わせる事に成功したものとなっています。
何と申しますか、福豆屋さんのほうが、泉谷しげるさんを「プロデュース」した駅弁であると言えるのではないでしょうか(^^♪ 立派な駅弁が出来上がったと思います。