終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

さんまおから漬け押寿司

さんまおから漬け押寿司(いわき駅)・なるほどこれはひと味違ったお寿司だ

さいたま新都心駅の近く、東北本線(&高崎線)などを一望できるトレインビューホテル、ラフレさいたまに宿泊した折に食べたのが、「さんまおから漬け押寿司」です。大宮駅の駅弁売り場でいわき駅の駅弁を食べる事ができるのは、とても嬉しいですね。

 

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さんまを使った駅弁と言えば、和歌山駅さんま寿司が美味しかったです。また関東では千葉駅の千葉寿司街道・秋刀魚を思い浮かべます。味の違いや美味しさの比較をしながら食べるのは、楽しいものです。

 

今回のさんまおから漬け押寿司は、製造元の小名浜美食ホテルさんとしては2017年の新作駅弁になります。その意欲がどのような形で結実したのか、食べて確認してみました。

 

購入データ


購入場所
大宮駅の中央コンコースの臨時の駅弁売り場にて購入。
購入日時
2017年12月23日、午後1時前に購入。
価格
880円(税込み)

ラベル表記

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販売

http://www.bishokuhotel.com/%E9%A7%85%E5%BC%81/

小名浜美食ホテルさんの駅弁紹介ページです。合計4種類の駅弁が掲載されていますが、新作は載っていませんね。

 

日本の食文化を今に伝える意欲的な「作品」だと思う

さて、この「おから漬けの押し寿司」という、風変わりな駅弁を食べてみたいと思います。外箱には、「古くから港『小名浜』では、さんまをおからに漬けて、お正月やおめでたい時の料理として食べられていました。伝統的な小名浜漁師料理を現代に再現し、駅弁として皆様に味わって頂こうと思います。粋な漁師料理をご堪能ください。」と記されていて、期待が高まります。

 

開封してみると、おから漬けのさんまが押し寿司にされている他には、ガリが乗っているだけの、極めてシンプルな作りです。こういう駅弁は、美味しいことが多いです。

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それにしてもおから漬けのさんまとは、馴染みがありません。アップで見てみると、さんまの表面におからがびっしりと付着しています。面白いな~。

 

 おからを使ってお寿司にしたものと言えば、浜田駅の駅弁に「いわしのおまん寿司」と言うのがあって、ご飯の代わりとしてのおからに、イワシがぐるっと巻いてあるお寿司を食べたことがあるのを思い出しました。

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さんまを普通に酢で〆るだけでなく、おからに漬け込む効果はいかに。食べてみると、通常のさんまのお寿司に比べて、かなり味わいとしては優しい感じになっています。ただし、おからの食感が舌にザラっと来るので、その点はマイナスですかね。

 

食べ慣れないので、かなり不思議な感じはしますが、さんまの味はしっかりと感じられますし、酢飯も美味しく出来ていましたし、「なるほどこういう料理もアリだな」と感心しながら頂きました。

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醤油をつけて食べると、おからのザラつきが緩和されて、より美味しくなります。

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食べ終わってから、「そういえば酢締めしたさんまをそのままお寿司にすれば良いのに、なぜわざわざおからに漬け込むのだろう?」と思って調べてみたら、おから漬けにする事によって、冷蔵庫の無い時代にも傷みやすい青魚が日持ちするという効果が有るのだと分かりました。

 

日本の近海で採れる新鮮な魚をおからで調理する事によって、保存食として魚を取り扱うとともに、マイルドな味わいを楽しむ事ができる。なるほど素晴らしい日本の食文化だと思いました。

 

それを駅弁にして世に送り出すとは、製造元の小名浜美食ホテルさんの「食」にかける真剣な思いを感じる事ができました。これからもいわき駅の駅弁を贔屓にして、意欲的な「作品」を食べていきたいと思いました。