終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

幕の内弁当

幕の内弁当(JR東海)・・・新幹線駅弁として安定の味、ロングセラーとなるだろう

 

幕の内弁当は全国で最も普及した駅弁だと思いますが、かつては列車に乗って、車窓風景をのんびりと楽しみながら、その幕の内弁当を食べたのでしょうね。

そんな時代が彼方に遠ざかっても、駅では幕の内弁当が売られています。今回紹介するのは、JR東海パッセンジャーズが販売する幕の内弁当です。東海道新幹線では景色を眺めながら駅弁を食べる事ができるので、私の密かな楽しみでもあります。

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上の写真は、東海道新幹線の車窓の見所の一つ、新富士駅付近です。下りの新幹線に乗った場合、私はこの辺りで駅弁を食べ終わる事が多いような気がします。

下記、今回購入した幕の内弁当です。会社員時代を通じて、何度か購入している定番的な駅弁です。今回はかなり久しぶりの購入になります。

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今回の幕の内弁当を、東海道新幹線の車内で開封してみたところを動画に撮っておきました。なおJR東海パッセンジャーズでは、この幕の内弁当のほかに、上位バージョンとして特製幕の内御膳も販売しています。どちらも私、好きですね。

特製幕の内弁当は東京だけでなく名古屋や大阪でも売られているのに対して、今回の幕の内弁当は東京駅、品川駅、新横浜駅のみで売られている駅弁になります。

 

購入データ
購入場所
デリカステーション品川南コンコース(新幹線の改札口を入ったところです)にて購入。
購入日時
2017年5月27日、午前9時半くらいに購入。
価格
1130円(税込み)
ラベル表示

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製造・販売
株式会社ジェイアール東海パッセンジャーズ
東京都中央区日本橋3-1-17
0120-919-212
https://www.jr-cp.co.jp/products/list

 

幕の内弁当としてのクオリティーは、何気にかなり高くて高評価

では、幕の内弁当を食べた感想でも書きます。見た目としては、「いかにも幕の内弁当」といった風であり、食べる人にとってはこの何とも言えない安心感が良いです。

 

【メニュー】

・ご飯 ・サーモン塩焼き ・みそかつ ・大根田楽 ・煮物(がんもどき、人参など) ・ジャガイモ甘辛煮 ・穴子天ぷらたれ漬け ・サツマイモ天ぷらたれ漬け ・玉子焼き 鶏つくね煮 ・油揚げ煮 ・蒲鉾 ・アサリの煮付け ・ピーマン揚げ ・梅干し ・漬物

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みそかつです。東海道新幹線が名古屋を通るからか、JR東海パッセンジャーズの駅弁で味噌カツを食べる機会は、割合多いです。関東人にとっては、このくらいがちょうど良いです。量が多いと、甘すぎて閉口します・笑。

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焼き鮭と玉子焼きと煮物、そして蒲鉾です。この部分は、いかにも幕の内弁当ですね。鮭が小ぶりでやや物足りないなという感じはしましたが・・・、

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鮭を箸で持ち上げてみると、下からなんと、穴子天ぷらのたれ漬けが出てきました。駅弁の天ぷらはどうしてもサクサク感が失われてしまいますので、だとしたら最初からしっとり感を売りにすれば良い訳で、このようにたれ漬けにするのは一つのアイデアかもしれません。

しかも、たれが絡んだ衣が美味しいです。穴子の味わいは少々弱くなってしまいますけれども、これはこれで、駅弁の一つの到達点だと思えるくらいの出来上がりです。なお、穴子天ぷらの上に見えているジャガイモの甘辛煮も、ホロっとした食感と共にタレの美味しさが口の中に広がって、とても美味しかったですよ。

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サツマイモ天ぷらたれ漬けです。穴子と同様の調理です。こちらもみそかつの下に置いてあり、みそかつを箸で持ち上げないと見えてきません。不思議な調製をするものです・笑。スペースの都合で、苦肉の策なのかもしれませんね。

これも、サツマイモの天ぷらをそのまま食べるよりもはるかに美味しくて、甘めのたれが病みつきになりそうな美味しさだと思いました。みそかつのたれが、すこし天ぷらに移ってしまっていますが、これはこれで天ぷらによく合っていましたね。

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東京地区限定らしい雰囲気を表現しているのは、アサリの煮付けですかね。噛みしめるほどにアサリの旨みが出てきて、小さな幸せを発見したような気持ちになりました。

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大根田楽と、油揚げ煮です。大根がとてもジューシーで、駅弁とは思えませんでした。油揚げ煮とも食べ合わせは抜群で、食べ飽きない副菜だと思います。

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最後に、ご飯です。俵ご飯に梅干しがちょんと乗っていて、幕の内弁当らしさが出ています。ご飯の炊き加減はちょうど良く、ご飯と全てのおかずの相性も抜群であり、これは食べる人の気持ちになって、よく考えて作られた幕の内弁当なのだなと分かります。

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この幕の内弁当、製造はどこで行われているのでしょうか? 日本レストランに外注しているのだと昔から思っているのですけど、あるいは崎陽軒、もしくは大船軒あたりでしょうか?

そんな部分で製造元との類似性や相異性などを考えつつ、幕の内弁当を食べるのは至福のひと時でした。東海道新幹線の駅弁だからと言って、決して不味い訳ではありません。

と書きましたところ、Twitter友達のきたさんから、こんなツイートをいただきました。なんとJR東海パッセンジャーズ、自社で駅弁を製造しているとの事です。

 

 

JR東海は、企業風土なのか、利用者が最大公約数的に評価するものを作り上げるのが非常に上手だと思います。駅弁事業においても、突出して超美味しいとか不味いとか、そういうものに当たる事はほとんどありません。

故に、未知の味を求めて旅をするには不向きな駅弁と言えなくもありませんが、決して大きく外さない安定感は、それはそれで魅力的なのかもしれません。