村上の幸まるごと弁当
村上の幸まるごと弁当(新潟駅・新津駅)・・・村上の食文化をストレートに味わえる
新潟県の駅弁は、美味しいです。何と言っても、米どころですからね。そのお米に、牛肉と鮭が付いていたら、もう何も言う事はありません。そんな駅弁が、村上の幸まるごと弁当です。本来は新潟駅と新津駅の駅弁ですが、東京駅の駅弁屋祭にて売られていたので、買ってきました。
村上とは、知らない人もおられるかもしれませんね。場所は新潟県の北部です。鮭が美味しい事で知られている街で、鮭の駅弁ができるのも当然ですね。
ブランド牛である村上牛は、実は今回、私も初めて知りました。駅弁を食べる事で、現地の特産品を知ることができ、たいへん勉強になります。これも駅弁の、素晴らしいところなのです。
お米が美味いだけでなく、おかずから副菜まですべてが美味しい一品
ではまず最初に、村上の幸まるごと弁当を動画で撮ったものを見て頂きましょうか。全体の雰囲気を掴むのは、動画が最適です。
動画で蓋を開封する前に、チラシを映していますが、そこに、今回の村上の幸まるごと弁当の中身の解説が載っています。これから食べるものがどのようなものなのかが分かるのは、有り難いです。
まず、村上牛のしぐれ煮から。「にいがた和牛」のうち、村上で飼育された各付等級A-4、B-4以上のものを「村上牛」と呼びます。コシヒカリの稲わらと乾草を存分に与えて育て上げた和牛は、にいがた和牛の代表格。などと記載されています。
しぐれ煮と言うとかなり塩辛いものを想像しますが、今回のものは牛丼より多少味が濃いかな、と言う程度であり、安心して食べられます。ゴボウと白滝によって、味がマイルドになっています。したがって村上牛の味わいを強く感じることができ、これはご飯が非常に進みます。
次に、塩焼き鮭です。鮭一匹を頭から尾まで何一つ捨てることなく使い切る村上食文化の象徴。塩をすり込み、冬の日本海の風に晒して、ゆっくりと熟成。旨みと風味が特徴です。と記載されています。塩引き鮭、と呼ぶそうです。
見て下さい、この鮭のボリューム。甘塩であり、適度な塩っ気ですから、この分厚い鮭を余すことなく食べきることができます。
箸で鮭をほぐして、ご飯と一緒に食べます。新潟のコシヒカリ特有のモチモチした触感と、うまみ成分の強い村上の鮭が、絶妙に合いますね。鮭は小骨もあるのですが、なぜかそれもしっかり噛むと、食べてしまう事ができました。熟成が進んでいる証拠なのでしょうか。
ユニークなのが、この部分です。野菜の煮物と共に添えられているのは、なんと麩カツです。麩のカツなんて、なかなか食べる事はありませんから、もの珍しいです。
地元でまんじゅう麩と言われる岩船麩は、その名の通りふっくら丸型。触感をお楽しみいただけるようカツレツで仕上げました。との事。 果たしてそのお味は?
麩カツを割ろうとしたところ、非常にもっちりしていて、箸では二つに切り分けることができませんでした。中を確認したのちに、ガブリと口の中に入れます。麩のカツなんて初めてですが、面白い味ですね。表現が難しいので、これはぜひ試してみてくださいとしか言いようがありません。
最後に、村上の幸まるごと弁当の中身をもう一度、見渡してみます。やはり塩引き鮭が目立ちますね。赤かぶの漬物が、地味めの見た目に花を添えています。
新潟県と村上市の美味しさを、完全に駅弁として表現できており、お見事でした。新潟で見かけた時、あるいは東京駅で発見した時、ぜひ手を伸ばして村上への旅気分を味わってみて下さいね。
(2017年3月5日、東京駅で購入。1180円)