真田弁当
真田弁当(和歌山駅)・・・予想よりはるかに出来の良い期間限定の真田丸駅弁
2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の大ヒットにより、真田幸村が配流された和歌山の高野山の、観光地としての人気が沸騰しているようです。その高野山のある和歌山県は紀伊徳川家の本拠地であり、なにやら運命は残酷だなと感じさせます。
そんな運命は駅弁の世界にも表れていて、真田丸にあやかって季節限定で販売された駅弁「真田弁当」も、なんと徳川家の葵弁当のすぐ隣に置かれています。まるで大坂の陣で徳川家康に特攻した真田幸村の姿を思い起こさせます。
ちなみに売れ筋ランキングでは、紀州葵弁当が1位で、真田弁当が2位との事なので、まさしくこれは運命そのものです。・・・という事で、期間限定だから購入したかった真田弁当を仕入れて、南紀に向かいました。
電車を乗り継いで、紀伊田辺駅までたどり着いた時に、ちょうどランチタイムを迎えましたので、駅のベンチにて真田弁当を食べる事にしました。この駅には紀伊田辺駅の駅弁が揃っていて、それも食べたいと後ろ髪を引かれる思いでしたが、幸村に思いを馳せてグッと我慢しました。
真田弁当、真っ赤な駅弁の外箱が鮮やかです。快晴の天気でしたから、駅弁にも太陽光が降り注いでいました。しかもよく見ると、ペーパージオラマ付き、と書いてあって興味をそそります。
想像をはるかに超えて、これは美味しいと感じた駅弁
さて、外箱がユニークだなと思っていた真田弁当、中身を見てみますと、想像以上に素晴らしい駅弁で、かなりビックリしました。メニューは、次の通りです。
・ご飯 ・田舎巻き(油揚げ、人参、牛蒡、いんげん、かんぴょう、高野豆腐) ・柿の葉寿司 ・鯖 ・玉子焼き ・蒲鉾 ・鶏肉煮 ・山芋と海老の湯葉包み ・野菜のすりみの落とし揚げ ・ゆず柿
で、動画を見て頂くと、ペーパージオラマの様子がよく分かります。これはユニークです。これが期間限定とは、あまりにももったいなさすぎます。
背後の城は、大阪城ですよね。まさか、徳川家の和歌山城ではないはずです。ジオラマを開けたところに書いてあるのは、真田幸村の歴史です。
そして、真田家のシンボルマークの六文銭をかたどった田舎煮です。真田幸村と言えば、信州の小諸は真田御膳が思い浮かびます。それぞれ六文銭が印象的な駅弁ですね。あ、レストラン列車のろくもん洋食ランチコースのメインディッシュも思い出します。
真田弁当の、おかずです。これがまた力作でして。素晴らしいの一言でしたよ。駅弁とは到底思えない内容で、味です。デパ地下レベルのお弁当と言ってよいです。
野菜のすり身の落とし揚げです。こういう練り物はあくまでわき役として、まあ適当に入れられる宿命なのですが、真田弁当の練り物は本当に美味しいなと思ったので、「記念写真」です。
柿の葉寿司です。てっきり吉野口駅の柿の葉ずし同様、鯖のお寿司かと思ったら違いました。錦糸卵と紅たて(野菜です)のお寿司です。
蒲鉾だって、適当なものとはちょっと違いましたね。駅弁全体の彩りを豊かにしていました。
そしてデザートのゆず柿です。分かりやすく言うと、干し柿ですね。私は干し柿が苦手なのに、ゆず風味に加工された干し柿は全く苦手な感じがせず、普通に食べちゃいました。
と、副菜までも完璧に素晴らしかった真田弁当です。私は紀伊田辺駅で頂きましたが、本来ならば南紀の海を見ながら、電車の中で食べたいですよね。紀勢本線は海に沿う絶景路線なので、電車に揺られながら食べる真田弁当は、最高だと思います。
御坊駅から乗った、絶滅危惧種の国鉄型113系電車です。113系に会えるだけでも嬉しい。
113系の車内は、国鉄のままのセミクロスシートです。ここで海を見ながら駅弁を広げたら、最高すぎます。あとあとまで記憶に残る旅になるに、違いありません。
(2017年1月7日、和歌山駅で購入。810円。定価は900円。)