終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

かに寿し

かに寿し(出雲市駅)・・・地味ながらも正統派かに寿司である

はるばると山陰までやってきました。理由は、廃止予定の三江線に惜別乗車する事と、出雲市駅の駅弁を食いまくる事です。

 

出雲市駅の駅弁と言っても、ぜんぶで4種類しかありませんので、今回コンプリートしました。ここでご紹介するかに寿し(食べるの2回目です)の他に、名物駅弁でもある出雲そば弁当、目立たぬ幕の内弁当、そして私も今回初めて知った鯖寿司です。

 

という訳で、スーパーホテル出雲駅前に宿泊した翌日、このかに寿しと鯖寿司を2つ買って、山陰本線気動車に乗り込みました。2両編成ですが、お客さんはかなり少なかったです。ボックスシートは常に占領状態でした。(写真は、出雲市駅に停車中のキハ120形気動車です)

 

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途中、山陰本線の車内があまりにも空いていたので、三江線内で食べる予定だったかに寿しを、暇つぶしに撮影しました。駅弁って、こういうレトロなパッケージが多いですね。

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こちら、山陰本線の絶景、日本海を眺めながらの駅弁撮影です。いつ来ても、山陰本線って素晴らしい路線です。旧型客車が走っている時に、ここに来たかったな。

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こんな風変わりな駅もあります。馬路と書いて「マジかよ!」とつぶやきます。ツイッターでよく見かける「田端でバタバタ」の山陰版です。「馬路でマジかよ」とつぶやいてください。

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ちなみに下らないですが、馬路駅の隣に仁万駅があります。こちらの駅では、「仁万でニンマリ」とつぶやいていただくと完璧です。二駅連続でつぶやける路線は、山陰本線以外に、どこに存在するのでしょうかね。


変に酸っぱすぎず、自然な味わいなのが出雲のかに寿しの特徴


では、蓋を開けてみましょうか。こんな感じですね。酢飯の上に、カニフレークと錦糸卵が敷かれています。カニの足も1本入っています。昔は本ズワイガニなんかも使われていたのでしょうが、見た目からするとこれは紅ズワイガニでしょうね。

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蟹の身の部分のアップ写真。紅ズワイガニと言っても一応は蟹です。美味しそうです。

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車内が空きすぎて誰もいないので、動画を撮ってみました。こんな感じで、山陰本線から日本海が見えます。この瞬間にかに寿しを食おうかと馬路(マジ)で考え込みましたが、グッと堪えました。

 

 という事で、三江線の起点駅の江津駅に到着。三江線内でビールに駅弁の極楽を味わおうと思ったら、なんと江津駅、ソフトドリンクの販売機以外、何もありませんでした。聞けば売店も廃止されたばかりだとか。これはいけません。

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駅前広場にも、一切の飲食関連のお店が無し。江津がいかに寂れてきているのかが身に沁みて理解できます。10年20年後の日本を先取りしているような風景でした。

 

しかし!ビールを買うと決意していたので、くじける訳には参りません。見渡すと、遠くにスーパーホテル江津駅前があり、超早歩きで往復して、スーパードライを2本調達することが出来ました。

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ここで、大学時代の鉄マニアの友人と合流しました。こんなにも気合を入れてビールを調達したのは、その友人がビールクズでして、「なんとしてもビールを入手せよ」との強いお達しがあったからです。ビール無しの三江線など無賃乗車に匹敵しますから、気合と根性でした。

 

という事で、こんな感じで、友人と三江線内で駅弁を食べました(動画に写っている駅弁は、米子駅弁の「海の宝箱」です)。これはもう、罰が当たっても良いくらいの幸せな感じです。ここまで駅弁を我慢して本当に良かったと感じました。

 

かに寿しの感想が最後になってしまいましたが、実に美味いの一言です。かに寿司って全国にそれなりにありますが、酸っぱすぎたりすることも多いので、酸味が強すぎない出雲市駅のかに寿しは、かなり好みの味です。酸味がほどほどだと、カニの風味が残りますから、嬉しいです。

 

出雲市駅の駅弁は、東京駅の駅弁屋「祭」にて見かけることは全くありません。それ故に、現地で購入した喜びもひとしおでした。現地で駅弁を買って、ローカル線の車内から窓の外の絶景を堪能しながらビールと共に心行くまで味わう。現代日本人の最高の贅沢を、させていただきました。


(2016年9月4日、出雲市駅で購入。940円。)