終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

とりめし

とりめし(野辺地駅新青森駅)・・・素朴で味わい深い名作駅弁が販売終了

昭和27年に登場したという、青森県を代表する名物駅弁「野辺地とりめし」の販売が終了してしまいました。ご飯の上に鶏の照り煮や鶏そぼろなどを乗っけただけの、日本人の心に響く素朴さが忘れられなくなる駅弁でした。60年の歴史に幕を下ろした形になります。

報道では「原材料費が高騰している」などと書かれているケースが多いようですが、調製元のウェルネス伯養軒の青森支店が閉鎖されるのに伴って、青森支店が調製する全ての駅弁が消滅したと言って良いでしょう。

予約が必要なペーパークラフト付きの駅弁、青森祭り弁当「逸杯辣星(いっぺえらっせい)」や同じくロングセラーの帆立釜めしなどと一緒に終売になったと思われます。

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2019年9月13日、私は惜別を兼ねて、野辺地とりめしを食べるために青森県を訪ねました。始めに野辺地駅を訪問しましたが、まだお昼前だというのに、とりめしは予約分を残して売切れ終了でございました。売り場は、待合室の一角にある駅そばパクパクです。

 

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このように、とりめしの表示があります。とりめしが無くても、軽いお弁当なども売っており、現実的には特に困るような事にはならないです。駅そばを食べても良い訳ですし。私はここで三色そばを頂いております。

 

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実際にとりめしを購入したのは、新青森駅東北新幹線改札内にある「そば処ブナの森」の駅弁コーナーです。ここに、この日、最後の1個が売られているのを見て、直ちに購入しています。

 

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食べたのは、埼玉の自宅に帰宅してから。その時の模様は動画にも納めております。

 

開封したところを、写真に収めるとこのような状況です。青森から運んできたので、多少、卵のそぼろが移動してしまっております。内容としては、茶飯、鶏の照り煮、鶏そぼろ、卵そぼろ、椎茸煮、グリーンピース、しば漬です。至って素朴。

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ラベル表記も載せておきます。

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以下は、2016年5月に食べた時の写真です。内容は全く変わりありません。価格も800円と変更はありません。ただし、この時の方がやや鶏肉が柔らかかったですかね。写真を見ても、鶏肉がふっくらとしている印象です。 

 

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今回購入したとりめしは、僕が食べたのは多少パサつきのある部位だったのかもしれません。

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 あっさり味の鶏の照り煮に対して、鶏そぼろは濃い目の味付けで、バランスが取れているのも良いですね。玉子そぼろが入って、親子丼的な味わいになります。鶏と卵は相性抜群ですよね。

 

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ご飯は茶飯です。鶏の照り煮を作った時の煮汁を入れて、炊き込んであります。単なる醤油めしとは違ってサッパリさの中に、ほんのりと出汁の香りを感じます。

 

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さて、野辺地とりめしを購入した新青森駅構内をうろついていたら、先ほどの駅弁売り場とは別の、JR東日本のコンビニ「ニューデイズ」店内に、ウェルネス伯養軒青森支店のお弁当が売られているのを発見しました。もちろん、2019年10月以降は売っていないと思われます。

このお弁当、特製とりめし弁当と表記しています。価格は730円で、中身を見ると、ほとんど野辺地とりめしと同一内容だと思われます。その左隣には、帆立釜めしを弁当にした特製帆立めし弁当もありました。

 

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ところで、60年以上のロングセラーが消滅してしまったのは極めて残念ですが、ウェルネス伯養軒の仙台支店では、もしかしたらほとんど同一商品とも思えるような「伯養軒のとりめし」が売られています。価格も同じく800円です。容器の形状なども極めて似ています。(伯養軒のホームページから写真を拝借)

 

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野辺地とりめしの味をもう一度確かめたいという人は、このとりめしを食べてみても良いかもしれませんね。茶飯に鶏の照り煮や鶏そぼろが載っているのが同一であり、玉子そぼろの代わりに錦糸卵と言うのが異なるものの、ほぼ同一商品の様です。

 

当サイト管理人も、遠くない将来にこれを食べて、確認したいと思っています。と言いますか、このとりめしを販売終了にして、代わりに仙台支店が野辺地とりめしを調製してもらいたいと思います。別に、野辺地駅で売らなくても、仙台駅で売ってもらえれば、ファンとしては十分です。