九州物語
九州物語(博多駅・小倉駅)・・・九州の食文化が1つの駅弁に凝縮
東京駅の大人気のスポット「駅弁屋祭」には、JR東日本管内だけでなく、遠く九州の駅弁まで並べられているのが非常に素晴らしいです。
この日、東京駅に寄る機会が有ったので、「何を買おうかな」と楽しみに駅弁屋までやってきて、まず最初にセレクトしたのが、北九州駅弁当さんの九州物語です。
以前から博多駅や小倉駅で売られていた駅弁ですが、外箱が以前と異なっているようです。リニューアルされたみたいです。1つの駅弁で、九州各地の味を楽しめる。これが駅弁の楽しさです。
購入して自宅に持ち帰り、「埼玉に居ながらにして」九州旅行を楽しんだ動画が、下記になります。
駅弁のネーミングも、良いですよね。九州物語と言うだけで、九州各地の味を満載した駅弁だと容易に想像することが可能です。要は幕の内弁当なのですが、名前一つで1ランク上がるかのようです。
これはまさに、「九州の味の博覧会」である!
改めて、九州物語を写真で見てみましょう。まず最初に、幕の内系の弁当としてはちょっと珍しい、白米ではなくて九州の名物でもある、かしわ飯に目が行きます。九州と言えばかしわ飯ですから、旅人にとっては特に嬉しい気持ちになります。
かしわ飯の部分の写真です。以前に北九州駅弁さんの鶏めし・かしわを食べた時と、随分とかしわ飯の雰囲気が違います。あの時は鶏肉がパサパサして往生しましたが、鶏がらスープで炊き上げたご飯は、とても美味しかった。
今回の九州物語のかしわ飯、ご飯だけでなく、かしわの部分もパサつきが無く別物の様でした。「これは美味い!」とニンマリして、パクパク食べました。鶏肉が盛り上がって見えます。鶏肉の上にふりかけた青のりが、余計に食欲をそそります。
おかずの部分に参りましょう。左側、つくね串と、鶏と胡瓜の酢の物です。右側は言うまでもなく辛子明太子です。どれも美味しく、かしわ飯に合う合う! 欲を言えば、明太子をこの3倍くらい入れて欲しいですが、それはちょっと贅沢な悩みでしょうか。
真ん中部分、厚焼き玉子とじんだ煮鯖です。卵は変に甘くなくて、甘めのかしわ飯とのバランスが抜群でした。じんだ煮とは、初めて聞く料理名です。
俄然、興味を持って調べてみると、「じんだ」とは「ぬか」の事で、じんだ煮とはぬかで煮たものという意味だそうです。そしてじんだ煮は、北九州の郷土料理だそうです。駅弁を食べなければ知る事も無かった知識で、駅弁が日本文化の小宇宙だという事がよく分かります。
そしてこの鯖のじんだ煮、想像以上に美味です。というか、鯖の塩焼きのような幕の内弁当にありがちな鯖料理よりも、よほど良いと思います。しかも唐辛子と一緒に煮込んでいるので、ピリ辛さを感じます。甘いかしわ飯との相性が、抜群なのでした。
煮物部分です。サツマイモの甘露煮と合わせて頂きます。思ったよりも濃いめの味で、九州らしいなと思いました。サツマイモの甘露煮さえも塩辛さが強く、私のような高血圧の関東人を、ストレートでノックアウトしかねないお惣菜でした・笑。
そして最後にお見せするのは、豚の角煮です。これも、九州らしいです。東日本で食べるような豚の角煮と違って、きちんと八角で味付けされていて、美味しさのレベルが違います。これもこの倍の量が欲しいところですが、やむを得ません。
このほかには、高菜の油炒めやうぐいす豆が入っていて、良い口直しになります。
九州物語を食べ終わって、これが1050円で食べられることに、感動さえ覚えました。ましてや購入したのは北九州ではなくて、東京の地です。この駅弁を製造した業者さん、これをはるばる関東まで届けてくれた業者さん、そしてそれを販売している駅弁屋さん、全てに感謝です。
出来れば、九州に出向いた時に食べたいですよね。九州は素晴らしい駅弁の宝庫でもありますから、目移りしながらも、お好みの駅弁をセレクトすると良いでしょう。
(2017年2月27日、東京駅で購入。1050円)