終売となった駅弁の記録 ~鉄宿別館~

既に販売が終了してしまった駅弁の記録を残します

泉谷しげるプロデュース駅弁

泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」を、当サイト管理人が食べてみた!

2018年の10月6日以降、郡山駅の駅弁業者の福豆屋さんが、タレントの泉谷しげるさんと組んで、「福島応援弁当・駅」を製造販売しています。

泉谷しげるさんは長年にわたって、東日本大震災の被災地を支える活動をしていらっしゃるという事で、そのご縁のつながりから、駅弁をプロデュースする事になったようです。泉谷しげるさんが大の駅弁ファンだという事も、このプロデュースにつながっています。掛け紙のデザインも泉谷さんが行っており、かなり気合いが入っています。泉谷さんの、アーティストとしての才能も感じます。

泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」


ただし、言葉は悪いですが、プロデュース駅弁というのは意外と大した事が無かったりします・苦笑。果たして、駅弁好きの泉谷さんがどんなお弁当を提案してきたのか、非常に興味深いところですね。

泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」


という事で、福島応援弁当を開封してみたところが、この写真です。最近は中身を小分けにして、会席料理風に魅せるお弁当が多く、福島応援弁当もそのスタイルを採用していますね。きちんとお品書きを入れてくれているのは、駅弁ファンの泉谷さんらしいと思います。

泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」


購入データ(今回、私が購入した時の記録です)
購入場所 東京駅の駅弁屋祭にて購入。
購入日時 2018年11月13日、午後6時半頃に購入。
価格 1200円(税込み)
製造販売 株式会社福豆屋
郡山市富久山町久保田字郷花4番地8(郡山食品工業団地内)
024-956-0050
http://www.fukumameya.co.jp/menu/index-2-10-0-page1.html

駅弁一覧ページです。

 

福豆屋さんの駅弁の様々なお料理を「再結集」しており、確かに美味しい

今回の福島応援弁当「駅」を食べたところは、動画にも記録していますので、あわせてご覧いただくことができます。なお、郡山駅の駅弁ですが、東京駅の駅弁屋祭でも販売しており、私は東京で購入しています。




泉谷しげるプロデュース駅弁・福島応援弁当「駅」のラベル表示
(福島応援弁当「駅」のラベル表示です)


お品書き
・しめじごはん(青さのり)
・白飯(刻みカリカリ梅)
・茶飯(あさりの佃煮)
福島県産牛肉煮ときんぴらごぼう
・「麓山高原豚」豚肉の炙り焼き
(糸唐辛子添え)
・伊達鶏の酒粕味噌焼き(パプリカ添え)
・含め海老芋の唐揚げ
・三春三角揚げ煮、玉こんにゃく煮
・にしん昆布巻き、玉子焼き
・めひかりの唐揚げ、焼き蒲鉾
福島県産若桃の甘露煮、白桃シロップ煮
なめこそばの実あえ、赤かぶ漬



前項で示した通り、小分けに12区画に分けられたお弁当なので、写真に撮るのが難しく、まずは「左側」を写してみます。ご飯は全て、福島県産の「あさか舞」というブランドのコシヒカリを使っており、ここではあさりの佃煮の乗った茶飯と、カリカリ梅が乗った白飯が写っています。




単なる茶飯だと味気ないものですが、あさりの佃煮との組み合わせはドンピシャであり、ご飯が進みますね。




福島県産牛肉煮は、福豆屋の牛めしで使われているものを、福島応援弁当でも利用しています。もちろん、非常に美味しい牛肉煮ですから、大歓迎です。




続いて、「右側」を写します。ご飯は、青さのりをふりかけたしめじごはんとなっています。めひかりの唐揚げがインパクト大ですね。若干、不気味な感じに見えなくもありませんが、そこはご愛嬌という事で・笑。




めひかりの唐揚げは頭の部分が取り除かれていますから、ギョッとする事は無く、お酒の恋しさを感じながら食べる事になります。駅弁にメヒカリという組み合わせは、他にはあまり聞いたことがありません。こういう珍しいものが時折入ると、飽きずに駅弁を買い求めたくなりますね。




豚肉は、ふくのしま豚の醍醐味に入れられているものと共通です。プリプリした食感の豚肉が大変に美味しく、満足度が高いですね。若干、脂っぽさが強かったかな。

お肉については他にも、「伊達鶏の吟醸酒酒粕漬けの仙台味噌焼き」という、郡山駅の駅弁の代表作でもある小原庄助べんとうと共通のおかずが入っています。地方の駅弁屋さんですから、同じ食材を複数の駅弁に利用する事については、十分に理解できますね。上手な再利用ですから、何も文句はありませんし、美味しいものを頂ける訳であり、むしろありがたく感じます。




海老芋の唐揚げです。海老芋と言っても里芋で、形が反り返った海老のように見えるから海老芋と言うようです。里芋は、駅弁としては煮物で供されることが多く、唐揚げで食べるのはなかなかレアな事だと思います。含め煮として味付けされてから唐揚げにしていますから、何もつけずとも、出汁の味わいを感じる事ができます。




最後に、デザートです。青梅かなと思ったら、若桃の甘露煮でした。その隣の白いものは洋ナシかなと思ったら白桃のシロップ煮でした。共に、甘ったるい味ではありますが、なかなかフルーツを生のまま入れる事は難しいと思いますし、若桃の甘露煮など普段は食べる事はまずありませんから、嬉しく美味しく頂いたのでした。




今回の駅弁は、タレントの「こだわり」のようなものを感じさせてあげないと、泉谷さんとしての評価が下がってしまいかねません。かと言って、こだわるままに作っていてはコストも張りますし、駅弁として実現しにくい食材や料理にまで手を出さざるを得なくなって、試作品はできても製造工程に乗らないという事になりかねません。

その点で、福豆屋さんの複数の駅弁と料理を共通化する事で、駅弁としての見た目の良さと、泉谷さんの体面の両方のバランスを上手に釣り合わせる事に成功したものとなっています。

何と申しますか、福豆屋さんのほうが、泉谷しげるさんを「プロデュース」した駅弁であると言えるのではないでしょうか(^^♪ 立派な駅弁が出来上がったと思います。